クールビズは労働安全衛生法などをもとに、室内温度28度をキープしようとするものです。
これは省エネルギーに寄与するだけでなく、生産性も向上すると言われてきました。しかしこの法律が出来た頃と現在とでは、地球環境が大きく変化しています。ある大学教授が2004年に行ったコールセンターでの実験によれば、約100名のオペレーターが受けた年間13、169人分のデータからこれまでの常識を覆す事実が分かってきました。それは室温があがると平均応答数が下がるというもので、室内環境と生産性の関係が明らかになったのです。
具体的には温度管理をするうえで最適とされていた室温28度が、最適とは言えないという結論が導き出されてしまいました。室内温度が25度から28度にあがると6%も生産性が低下するという結果がでたのです。生産性が下がれば、知的労働に従事する人たちは残業をしなければならず、その分人件費がかかることになります。また、電力量もかかるため総コストは大きく跳ね上がる実態が明らかになりました。
温度管理をするうえで最適なものが25度だと断定はできませんが、経営管理に携わる人はスタッフの仕事ぶりをしっかりと観察することが重要と考えられます。室内の温度は照度や日光等にも影響を受けるため、その点に十分な配慮が求められるでしょう。日本の空調システムの多くは、26度を設計値として組み立てられています。その理論を念頭に置き、知的生産性が低下することのないよう、十分な温度管理を行いたいものです。
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