食品工場における温度管理

食品工場において、安全・安心な食品を提供し続けることは必要不可欠の条件です。

それとともに、適切な温度管理を行うことによって食中毒を起こさないことも大切です。食中毒は細菌やウイルスが原因と言われており、これを予防するために「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をやっつける」ことが求められます。そのための具体的な方策として推奨されているのが温度管理なのです。細菌が増殖するためには水分・温度・栄養という条件が揃っていなければなりません。細菌の発育が起こる温度は10度～60度であり、36度前後が最も危険な温度帯とされています。

温度管理を行う際にはこの点を十分念頭に置き、食品の保管に細心の注意を払う必要があります。細菌をやっつけるのに効果的な方法は、食品を熱することです。焼く・煮る・蒸すといった加熱処理を施し、細菌を死滅させることができます。例えばO-157の場合ですと、75度の熱で1分以上加熱することにより、安全性が格段に向上します。食品の外側ではなく中心部の温度を75度以上で加熱し、安全な状態を確保したいものです。

こうした作業をすべて手作業で行うことには、ややもすれば限界があります。非常に多くの労力を要するため、リアルタイムで温度を管理するシステムを導入することが望まれます。温度を監視し、自動的に記録するシステムなどが普及されつつあります。食品工場などでは、こうした最新のシステムを導入することにより、安全な食品の提供を心掛ける必要があると考えられます。